オープンデータ・ビッグデータ政策と文化芸術デジタルアーカイブ

 6/1に発表した日本公共政策学会のスライド「オープンデータと著作権:諸外国における政策動向と我が国への示唆」をULしました。オープンデータということでCC-BYです。基本的には現在流行している所謂「オープンデータ・ガバメント」や「ビッグデータ」政策の中に、「文化芸術デジタルアーカイブの拡充」と「孤児作品問題の解決」、そして日本版Europeana(http://www.europeana.eu/)の構築をしっかりと位置づけていくべきだ、という話をしています。
http://ikegai.jp/PPSAJ_opendata_copyright130601.pdf
 
 そこで12枚目にEurepeanaの収録デジタルデータ件数なんかを載せてたんですが、福井先生からご指摘頂いた通り2015年の目標件数は5000万ではなくて3000万件でしたのでその点訂正しました(ありがとうございます!)。
 ついでに新しく公開されてた2013年度の活動計画書を読んでたところ、去年の報告書では2012年時点の収録デジタルデータ数が「2100万件」だったのが、2013年1月時点ではもう「2500万件」に増えている!ということで該当箇所修正しつつ、計画書の中で気になった数字をいくつかピックアップ。
Europeana: Business Plan 2013
http://pro.europeana.eu/documents/858566/9d4632d3-3f6d-4162-ba29-27a9a739946d
 
・8p:現時点の収録デジタルデータ数は約2500万件。うち権利関係の記述がしっかりされているのが64%、プレビューが用意されてるのが60%、地理情報付きが27.5%。これらを全て100%にしていく。今年の細かいKPIは11p参照。
・9p:約2500万件のうち、現状オーディオビジュアル(動画)コンテンツは80万件。これを2013年末までに全体で2700万件、オーディオビジュアルは110万件まで増やしていく。このペースだと「2015年3000万件」の目標は来年には確実に上方修正されそうですね。
・10p:お金がないのでがんがんロビイングとファンディングして追加で42万ユーロ手に入れる(ちなみに2012年度会計報告を見ると総収入は417万ユーロで大半が欧州委と各国からの補助金。各文化施設アーカイブのポータルなので基本的にバジェットは小さいです)。
・13p:権利処理を加速すると共に、今年のKPIとして【800万のコンテンツにオープンライセンス(PD/CC0/CC-BY/CC-BY-SA)を付与する】。
・14p:PRのKPIに「twitterで14000人のフォロワーをゲットする」が入っている笑! ぜひ協力して差し上げてください。 https://twitter.com/Europeanaeu
 
 こうして見てると、文化施設のKPIがネット活用含めてここまで明確に示されていることに感銘を受けずにはいられません。他のページも非常におもしろいので、オープンデータ・ビッグデータ・文化芸術デジタルアーカイブ関係の皆様はぜひご一読を。